J.K.ローリング、国際女性デーの投稿をめぐり再び炎上「名前を言ってはいけない私たちの日になる」

『ハリポタ』J.K.ローリング、国際女性デーの投稿をめぐり再び炎上「名前を言ってはいけない私たちの日になる」 – フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信 (front-row.jp)

『ハリー・ポッター』やその新シリーズ『ファンタスティック・ビースト』シリーズの原作者として知られるJ.K.ローリング氏が、国際女性デーに際して再び炎上した。

 これまでに何度も“トランスジェンダー女性は女性ではない”という考えを明確にしてはトランスフォビア(※)だとして炎上してきた作家のJ.K.ローリング氏が新たにツイッターに投稿した内容で再び炎上している。
※トランスジェンダー/トランセクシュアルに対するネガティブな感情・思想・行動。

ローリング氏は今回、スコットランドがニコラ・スタージョン首相のもとで進めようとしているジェンダー移行に関する法整備に言及。

 スコットランドでは現在、人々がよりジェンダー移行をしやすいようにするための法整備が進められており、2004年からある性別認定法の修正案として、これまで移行にあたって必要だった医師の診断を不要とし、本人の申告に基づいて決定するという新たなルールに変更しようとしている。修正案のもとでは、少なくとも3ヶ月間希望するジェンダーとして生活した後で、さらに3ヶ月の「熟考期間」を経て、正式にジェンダーを移行することができる。また、これまで18歳以上だった対象年齢も16歳まで引き下げられる。

 ローリング氏はこの法案に反対しており、この法律が施行されれば「女性や少女たち、特に最も弱い存在の人たちにネガティブな結果がもたらされる可能性がある」とツイッターで指摘した。

一方で、スコットランドのスタージョン首相はローリング氏のこの主張に反論。スタージョン首相は英BBC Radio 4の番組『The World At One(原題)』で「(この法案は)トランスジェンダーの人々に今以上の権利を与えるものでも、トランスジェンダーの人々が今持っていない権利を一つでも追加するものでもないです。また、平等法の下で女性が現在持っている権利を奪うものでもないのです」としたうえで、「もちろん、私や誰しもがそうであるように、彼女には意見を表明する自由があります。しかしながら、(彼女の主張は)この議論の論点には当てはまらないのです」とコメント。「法案は先週議会に提出され、今後は通常通り、正式に制定するために議会による精査を行なっていく予定です」とした。

 また、ローリング氏は3月8日の国際女性デーに際してイギリスの平等大臣の発言も揶揄している。ローリング氏は、英・労働党で平等を担当する大臣を務めているアンネリーズ・ダッズ氏が女性の定義について「文脈によります」と発言したことを受けてツイッターを更新して、「誰か、平等を担当する陰の大臣(野党の大臣)に辞書と気骨を送ってあげて」と揶揄。

 さらに、ローリング氏は「どうやら、労働党政権になったら今日は『名前を言ってはいけない私たちの日』になりそうね」ともツイート。自身が原作した『ハリー・ポッター』シリーズに登場する、悪役の“名前を言ってはいけないあの人”ことヴォルデモートになぞらえ、女性について定義しないことを選んだ労働党の選択を皮肉った。

 トランスジェンダー女性を“女性”の定義に含めたくない気持ちが溢れたローリング氏のこのツイートには多くの批判が寄せられており、シンガーのティナーシェがこれに送った「ああもう、勘弁してよ。黙って」というリプライには10万を超えるいいねがついている。