アメリカの女性解放団体、カリフォルニア州更生保護局(CDCR)に男女別の刑務所を復活させるよう提訴

WoLF Sues California Department of Corrections To Restore Single-Sex Prisons — Women’s Liberation Front (womensliberationfront.org)

 アメリカ女性解放戦線(WoLF)は、原告ジャミン・チャンドラー、クリスタル・ゴンザレス、トメキヤ・ジョンソン、ナディア・ロメロ、およびカリフォルニア州の人権擁護団体であるウーマンIIウーマンを代表して訴訟を起こした。

 2021年11月17日、私たちは、生物学的性別ではなく当人の主張する「ジェンダー・アイデンティティ」に基づいて収監先を決定するという立場を取る「トランスジェンダー敬意・主体性・尊厳法」(SB132)の方針を受けて、カリフォルニア州更生保護局(CDCR)〔カルフォルニア州の刑務所の名称〕に対して公民権訴訟を起こした。

 今年1月、カリフォルニア州の「トランスジェンダー敬意・主体性・尊厳法」(SB132)が施行され、一部の男性がもっぱら男性としての「ジェンダー・アイデンティティ」を持っているわけではないという理屈に基づいて、彼らを女性刑務所施設に移送することが可能になった。これらの男性は、性器の手術を受けたかどうか、ホルモン剤を服用しているかどうか、性同一性障害の診断を受けているかどうかにかかわらず、移送の対象となる。すでに数百人の男性が移送を希望しており、女性や子どもに対する凶悪な暴力犯罪や性犯罪を犯した男性を含め、すでに数十人の男性受刑者が女性用施設に移送されている。現時点で、この要求が拒否されたことは一度もない。

 私たちは、女性の受刑者を男性犯罪者といっしょに収監することは、以下のような憲法上の権利を侵害すると主張している。

  1. 憲法修正第1条の言論の自由、宗教の自由な行使、政府への請願、国家による宗教の確立に対する権利。
  • 残酷で異常な処罰を受けないという憲法修正第8条の権利
  • 法の下での平等な保護に関する憲法修正第14条の権利

 WoLFの理事であるマーリー・アーバイン博士は、「女性と少女は、尊厳と敬意、そして思いやりをもって扱われるべきだ」と述べている。「カリフォルニア州更生保護局の措置は、収監されている女性たちの基本的人権を明らかに侵害し、彼女たちをトラウマになるような恐ろしい状況に置いている。WoLFはこれらの女性たちと共にある。彼女たちの安全と尊厳が取り戻されるまで、私たちは彼女たちのために闘いつづける」。

 原告組織であるウーマンIIウーマンの創設者であるエイミー市川は、以下のような声明を発表した。

  ウーマンⅡウーマンは、当初、仮釈放適格審問の準備や刑務所から自由な世界への移行を支援するために、服役中の女性のための支援団体として設立された。しかし、わずかな期間で、これまで沈黙していた服役中の女性たちの声が私たちのところに殺到し、ウーマンⅡウーマンは声なき者の声となった。女性は、長年にわたる社会的条件づけのせいで、自分で自分を黙らせる傾向がある。女性受刑者は、何か問題があるときでも声を上げることはほとんどない。なぜなら、声を上げても何も達成できないからだ。そしてほとんどの場合、最も基本的な人権を主張しても、報復されてしまう。しかし、そんな時代は終わろうとしている。この訴訟の結果がどのようなものであっても、私の仲間である女性たちに声を取り戻し、それを使う勇気を与えたことで、私たちはすでに勝利したのだ。

 WoLFは、裁判所に対して、今回の措置の永続的差し止め命令を出し、この法律を違憲であると宣言するよう求めている。訴状の全文はこちら

 全国および州レベルの世論調査によると、これらの政策は、政治的立場を問わず、一般の人々には支持されていないことがわかっている。今回の訴訟では、党派を超えた幅広い支持を得られたことを大変嬉しく思う。ぜひとも、この訴訟に支援を。