手術要件で 断種を迫られるトランスジェンダー…NHKによる特集

WEB特集 “手術要件”なくして 断種を迫られるトランスジェンダーの声 | LGBTQ | NHKニュース

以下記事抜粋。

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「人の身体って機械じゃないでしょ。部品を交換するみたいに、出てるところを削ったり、へこんでいるところを出させるっていうのは、人間らしさへのひとつの冒とくじゃないかなって」

わたしがある女性を取材していてはっとさせられた言葉です。

日本の現行の法律「性同一性障害者特例法(2003年成立)」では、生殖線を摘出するなどの性別適合手術を受けないと、戸籍上の性別を変えることができません。

“断種”を求める法律が日本に存在していることに驚いたわたしは、この法律とトランスジェンダーを取り巻く状況について取材することにしました。
(松江放送局 ディレクター 岩永奈々恵)……

上田地優さんは、女性としての戸籍を獲得し、女性として生き、女性として死にたいと思っています。

しかし現行の法律が、戸籍の性別変更を阻んでいます。

特に大きな壁となっているのが「手術要件」です。……

専門家はこうした現状について、以下のように分析しています。

奈良女子大学 三成美保教授
「自分の望む性別、もしくは社会的に浸透している性別に、戸籍上の性別を変更したくてもできない人がたくさんいるんです。それはなぜか。手術要件が最も高いハードルなんです。性自認に則した戸籍上の性別に入ることのために、なぜ生殖能力を失わなければならないのか。なぜそれを、国によって強制させられるのか」

こうした状況を打開するために、海外では、法律から「手術要件」が撤廃され、代わりに「本人の意思」を尊重する考え方が広まっています。

ヨーロッパの多くの国では、ここ10年ほどで法律の改正が進みました。

例えばドイツでは、3年以上自分の性自認に合わせて生活したいと望んでいる場合、戸籍上の性別が変更でき、フランスでは、家族友人、仕事仲間などから要請している性別として知られているなどの条件を満たせば、変更できるという新たなルールが制定されています。

世界保健機関(WHO)などの複数の国際機関も2014年、性別変更のために不本意な断種手術を要件とすることは人権侵害だとする共同声明を出しています。……

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フランスでは身近な人から要請している性別として知られていれば性別変更ができるんですね。
家族や友人、仕事仲間というのはお互い気を使って客観的な意見を言えない可能性もあると思いますが…。

のりこえねっと 紫の風 | Nor Ikoe Net

この特集で取り上げられている上田さんは、「のりこえねっと紫の風」というLGBT団体の代表の方です。

過去には島根県議の発言に謝罪を求めるなどして話題になっていました。
ぜひこちらの記事もご参照ください。

「女性の風呂に男性のものをぶら下げた人が入ったら混乱する」ー県議の発言に謝罪請求 – What is transgender? (hacca.jp)