英国のトランス女性は、女性トイレから出るように言われた場合、警察と救急隊に電話するようアドバイスされています。

Transgender women advised to call 999 if asked to leave female-only lavatories – VTL News

Transgender women advised to call 999 if asked to leave female-only lavatories (telegraph.co.uk)

Transgender women advised to call 999 if asked to leave women-only lavatories (archive.ph)

トランスジェンダー女性は、女性専用のトイレから出ろと言われ、危険を感じたら999(※警察・救急隊の電話番号)に電話するべきだと、イギリス最大の児童トランスジェンダー慈善団体「マーメイド」は述べています。

この慈善団体のアドバイスは、避難所や更衣室、病室などの男女別空間の提供者に対する監視機関でもある平等人権委員会(EHRC)が打ち出した新しいガイダンスをめぐり、今も続く混乱の中で出されたものです。


平等人権委員会は先月、男性として生まれたトランス女性は、プライバシーや尊厳を守るなどの正当な理由があれば、女性専用スペースから排除することができるという判決を下しました。

この画期的な法的見解は、2010年の平等法における保護特性である性別と性転換をめぐる活動家とフェミニストの間の激しい論争を一掃することを目的としたものです。


しかし、このトランスジェンダー慈善団体「マーメイド」は、平等人権委員会の方針に「満足していない」「トランスの人々を十分に包摂していないと感じる」と述べ、これに対して独自のガイダンスを発するに至りました。


「男女別スペース:自分の権利を知ろう」と題されたそのヘルプシートの中で、影響力のある若者向けのトランス慈善団体である「マーメイド」は、「誰かが施設を出るよう求めたらどうするか」という一連のヒントを挙げています。


弁護士によって「著しく無責任」と烙印を押された最初のヒントには、こう書かれています。

“危害を加えられる危険がある場合は、安全な場所に移動し、信頼できる人に電話するか、そうすることに抵抗がなければ999で救急隊に連絡してください。”

また、「施設・学校に、トランスを含める方針を求める」「施設・学校に、あなたを排除する理由を書面で求める」ことを勧めています。
さらに、トランスの人々は学校や会場をマーメイドの電話回線に誘導し、「メモを取る」ようにと呼びかけています。

この慈善団体は、平等人権委員会のガイダンスは「法律ではなく、強制することはできない」とし、「ガイダンスが発表される前に行っていたサービスや施設を利用する権利がまだある」と強調しています。


英国の弁護士たちも、学校、ジム、病院などの施設が、活動家と平等人権委員会の間の言葉の戦いに巻き込まれ、どのように行動すべきかが分からず困惑しているといいます。

グレート・ジェームズ・ストリート会議所で平等法を専門とするアマンダ・ジョーンズはThe Telegraphにこう語りました。「もし、ある組織が合法的に男女別の施設を提供しているのであれば、退去を拒否することは問題になるでしょう。提供者にも、警備員を雇うか、警察に通報する権利があります。
そのような組織の方針に異議を唱えたい人は、冷静に、その提供者の苦情処理方針を利用すべきです。999に電話するようにという助言は、著しく無責任です」。


差別禁止法の弁護士であるナオミ・カニンガム氏も、「999に電話するようにという助言は、著しく無責任である」と述べています。
「性別変更を理由とする差別を受けない権利があることと、異性として扱われる権利があることは同じではありません」と彼女は言います。