米国でコンバージョン・セラピー(転換療法)を禁じる都市が続出

Does the Bible Teach the Controversial Practice of Conversion Therapy? (gracefresno.com)

米国でコンバージョン・セラピーを禁じる都市が続出 – 聖書ニュース.com (seishonews.com)

コンバージョン・セラピー(転換療法)とは、同性愛者の性的指向を異性愛に転換(Conversion)させることを目的とした心理療法(Therapy)を指す。米国のさまざまな州や都市で、このコンバージョン・セラピーを禁止する法律が制定され、それに反対する声も上がっている。その一例が、米国ウィスコンシン州のラクロスという大都市で制定されたコンバージョン・セラピー禁止法案に対する反対運動で、市民が拒否権を発動するように市長に求めていた。この件について、AP通信は次のように報じている。

「ラクロス市の市長は、市民連合グループからの圧力にもかかわらず、同市のコンバージョン・セラピー禁止法案に拒否権を行使しないことを明らかにした。この連合には、元市議会議員のトム・スウィーニーとロレイン・デッカーが率いる地元教会の人々が含まれている。彼らは、ミッチ・レイノルズ市長の拒否権発動期限である午後5時に先立って、火曜日の午後、市役所の外で集会を開いた。集会主催者は、この禁止令は合衆国憲法に記されている言論と宗教の自由に真っ向から違反するものであると述べていると『La Crosse Tribune』紙は報じている。集会に参加した人の中には、セクシュアリティや性自認について自由にカウンセリングを行える状況を保ちたいと言う人もいる。市議会は先週、6対4の投票でコンバージョン・セラピーを禁止し、その禁止が 「ラクロス市の人々の健康、安全、福祉」を守るとしている。… ラクロス市は、ウィスコンシン州でコンバージョン・セラピーを禁止した14番目の都市となる。
ー “Ban on conversion therapy stands in La Crosse,” AP News, June 15 2022」

コンバージョン・セラピーを禁じる動きは米国だけでなく、カナダやヨーロッパにも広がっている。カナダでは、2021年12月にコンバージョン・セラピーを禁じる法案が国会で成立している。これは刑法の修正法案であり、これに反してコンバージョン・セラピーを行う者には懲役などの刑事罰が課される。

コンバージョン・セラピーには問題のあるやり方もあるが、同性愛から異性愛に転換することをすすめること自体を禁止すると、聖書を教える牧師なども処罰の対象になる可能性がある。1コリント6:9~11では、次のように言われている。

「9 あなたがたは知らないのですか。正しくない者は神の国を相続できません。思い違いをしてはいけません。淫らな行いをする者、偶像を拝む者、姦淫をする者、男娼となる者、男色をする者、 10 盗む者、貪欲な者、酒におぼれる者、そしる者、奪い取る者はみな、神の国を相続することができません。11  あなたがたのうちのある人たちは、以前はそのような者でした。しかし、主イエス・キリストの御名と私たちの神の御霊によって、あなたがたは洗われ、聖なる者とされ、義と認められたのです。」

この聖句から、当時の教会には同性愛者(「男色をする者」)であったが、今はそのような生活をやめた人々(「以前はそのような者でした」)がいたことがわかる。また、ここで挙げられているような罪を犯している人は「神の国を相続することができません」とも言われている。そのため、聖書を信じる牧師はそのような行為から離れるように教えるのが当然となる。

保守派のコメンテーター、トッド・スターンズ(Todd Starnes)は、このような状況に対して次のように警告している。

「アメリカ人は、牧師や宗教的指導者が神のことばを教えることで迫害を受ける時代に備えなければなりません。
ー Todd Starnes, “YouTube: Pastor MacArthur’s Sermon is ‘HATE SPEECH’,” Jan 19, 2022」