男女共用多目的トイレに連れ込まれー熊本女児殺害事件

元大学生に無期懲役 熊本女児殺殺害で地裁判決: 日本経済新聞 (nikkei.com)

熊本3歳女児殺害事件 – Wikipedia

現在、多目的トイレとされるトイレの多くが男女共用になっているが、そのような施設で起きたこの事件を決して忘れないでほしい。

“熊本市で昨年3月、スーパーに両親と買い物に来ていた女児、清水心(ここ)ちゃん(当時3)を殺害したとして、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた元大学生、山口芳寛被告(21)の裁判員裁判で、熊本地裁は29日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。

松尾嘉倫裁判長は判決理由で「(女児が)抵抗できずに数分間にわたり首を絞められた苦しさや、助けを求めることもできない絶望的な状況で感じた恐怖感は筆舌に尽くしがたい。動機は身勝手極まりなく、家族を突然奪われた遺族の悲しみは大きい」と述べた。

弁護側は争点の殺意について否認したが、判決は「意図的に首に強い圧迫が加えられた可能性が高い」と認定した。

また弁護側は被告が発達障害の一種「アスペルガー症候群」であったことが影響したとも指摘したが、判決は「関連性がない」とした。

一方で、被告が米国の映画を参考に最初から殺害を計画していたとする検察側の主張も退け「父親らが被害者を捜している声を聞いた際に殺意が発生した」と判断した。

弁護人は判決後、「控訴するかどうかは被告と相談して決める。けさの面会では『どのような判決でも受け入れたい』と話していた」と述べた。

裁判員や補充裁判員を務めた7人の男女は判決後に記者会見。女性会社員は「反省の態度は感じられなかった。罪を償い更生するために刑を受けてもらいたい」と話した。

判決によると、山口被告は昨年3月3日午後7時半すぎ、熊本市北区高平のスーパーの多目的トイレで心ちゃんの首を絞めて殺害。同8時ごろ、約1.3キロ離れた排水路に遺体を遺棄した。

【事件概要】

3月3日
女児は、女児の保育園で行われたひな祭りの行事に参加した。
16時頃

男がトイレ周辺を以後3時間余りうろつき始める(それまでは他の店でも狙っていたとする情報もある)。

19時30分頃

女児が父親に「トイレに行っていい」と聞き、父親は手を離せなかったため一旦は止めたが、女児は「どうしても今行きたい」と話し、たった数十メートル先のトイレに1人で向かった。この時、父親は角を曲がる女児の姿を目で追っている。
直後、若い男もトイレに入る。
この15分の間に女児は多目的トイレに連れ込まれ、わいせつの末、口を塞がれもう片方の手で首を絞められて殺害された。
女児の父親は、トイレにすぐに向かい、まず女子トイレの方へ名前を呼んだ。返事が返ってこなかったため、多目的トイレを叩き女児の名前を何度も叫んだが、返事はなく、中から「使用しています」と声が聞こえた。その声は犯行時の男の声だった。

19時45分頃

男だけがトイレから出てくる。リュックサックはかなり膨らんだ状態であった。
この時女児の両親は、女児の遺体をリュックに入れて立ち去る男とすれ違っている。
20時頃

スーパーが閉店しても、女児が見つからないため、母親が通報。
20時10分頃

男が女児の遺体を坪井川の排水溝に遺棄。
3月4日
トイレ前の画像および近くのガソリンスタンドで、大きく膨らんだリュックサックを背負った、無我夢中で自転車を漕ぐ男の画像を公開した。すると、犯人の元担任が自分の元教え子ではないかと聞き込み捜査で伝え、 市内の熊本学園大学に通う当時20歳の男が浮上した。
警察の事情聴取で容疑を認め、供述通り女児の遺体が見つかったため午後死体遺棄容疑で逮捕された。