「性別は自分で決める」 少年の主張全国大会、宮城の中3生奨励賞

「性別は自分で決める」 少年の主張全国大会、宮城の中3生奨励賞(河北新報) – Yahoo!ニュース

 中学生を対象とした本年度の少年の主張宮城県大会で最優秀の知事賞に選ばれた大郷町大郷中3年の山内莉羅(りら)さん(15)が、全国大会に出場して奨励賞に輝いた。性別を巡る悩みと向き合い、教諭らに支えられ発表の場を広げた山内さんは「たくさんの人に自分の気持ちを受け止めてもらえた」と喜びを語る。

 山内さんは「私と僕と、そして『自分』」と題し、性別を巡る悩みや捉え方を作文につづった。学校の募集に応じ、自らの意思でテーマを選んだ。

 小学5年の時に女性である自分に違和感を覚えた。中学生になりインターネットで男女どちらでもない「Xジェンダー」を知り、制服をスラックスに代えたことが転機になったと紹介。「性別を楽しんでいい」「自分の性別は自分で決めていい」などと訴えた。

 10月の県大会後の審査で北海道・東北ブロックの代表(2人)となった。全国大会は国立青少年教育振興機構(東京)の主催で11月にあり、12人が出場。山内さんは県大会で撮影した動画で大会に臨んだ。

 動画を基に学識経験者ら10人が審査し、出場した全員に奨励賞を贈った。「もっといい賞を取りたかったけど、全国大会に出て、多くの人に自分の思いを伝えられた喜びが大きい」と山内さんは話す。

 文書の構成は国語の教科担任の佐々木紀子教諭(42)に指導を仰いだ。スピーチも、佐々木教諭と二人三脚で練習を重ねた。「何回も言葉にするうちに、悩んだ時の情景が浮かび、自分のためだけでなく、同じ悩みを抱える人のためにメッセージを伝えたいという気持ちが強くなった」と振り返る。

 この間、徐々に山内さんの表情は明るくなったという。佐々木教諭は「本人の勇気と家族や仲間の後押しがあり、自信につながった」と言う。山内さんも「自分の力だけでは、ここまで来られなかった」と感謝の思いを口にする。