自民議員「お花畑」発言の背景は 「もっと咲かせよう」逆張りの声も

自民議員「お花畑」発言の背景は 「もっと咲かせよう」逆張りの声も (msn.com)

自民党の議員が、性的少数者の差別解消をめぐり「お花畑正義感の人たち」などと発言したことを受け、ネット上で抗議の投稿が広がっている。差別解消に取り組む当事者らは、「議員個人の問題ではない」と批判する。

問題の発言があったのは、25日の自民党の「性的マイノリティに関する特命委員会」。会合は非公開で、出席者によると、委員会事務局長を務める城内実・元環境副大臣が「純粋まっすぐお花畑の人は、『差別されている人を助けなきゃ』みたいな話(となっている)」と発言。「美しいポリコレ(政治的な正しさ)みたいなものでストーリーをつくって、それを疑問視する人をひたすらたたくお花畑正義感の人たち」「(そうした人たちは)多様な価値観、多様な市民を、ステレオタイプでやっているんじゃないか」などとも語ったという。

城内氏は会合後、朝日新聞の取材に「LGBTに関する活動家や当事者を『お花畑』と言ったのではない」としたうえで、「LGBTに関する問題は複雑で多様な要素が絡み合っており、当事者にもいろんな意見がある。一部の人は物事を単純化していないか、という趣旨で言ったつもりだった」と説明。発言は撤回しないとしたうえで、「主語や述語に気をつけて発言しなければいけない」と述べた。

■「党の姿勢が表れている」

ゲイと公表し、性的少数者の情報を発信する一般社団法人「fair」代表理事の松岡宗嗣さんは、城内氏が「ポリコレ」や「お花畑」などの言葉を使ったことについて、「本当に差別や偏見と向き合う気があれば、こういう発言や言葉の選び方はしないのではないか」と指摘する。

松岡さんは、城内氏が委員会の事務局長を務めている点にも注目。6月に自民党議員が参加した「神道政治連盟国会議員懇談会」の会合で「(同性愛は)後天的な精神の障害、または依存症」などと書かれた冊子が配布されたことや、昨年の国会で自民党がLGBT理解増進法案の提出を断念したことについても触れ、「今回の城内氏の発言は、一連の問題とつながっている。改めて、自民党が誠実に性的少数者を取り巻く問題に向き合い、差別や偏見を解決する気がないことを突きつけられたと感じる」と話す。

同性婚の実現を求める「結婚の自由をすべての人に」訴訟関西弁護団にも参加する佐藤倫子弁護士も「城内氏個人の問題ではない」と話す。城内氏が委員会の事務局長を務めていることや、過去に性的少数者をめぐる発言などが問題となった杉田水脈氏が総務政務官に就いたことに言及し、「自民党としての考えや態度が、こうした人事に如実に表れている」と述べる。

また、「お花畑」という言葉について「性的少数者の当事者が抱える思いや、直面している現実の重みが見えていないことの現れだ」と話す。「こうした発言をしても許される空気が党内にあるから、次々と問題発言が出てくる。人権の問題を軽視しすぎている」