英国トランスジェンダークリニックが、性自認に悩む患者の35%が自閉症であるという事実を隠蔽していたことが発覚

How only NHS children’s transgender clinic ‘buried’ fact that 372 of 1,069 patients were autistic  | Daily Mail Online

英国唯一のNHS(国民保健サービス)のトランスジェンダークリニック(※タヴィストック・クリニック)が、若者の患者の3分の1が自閉症であったという事実を隠蔽していたことが発覚し、非難されている。

2011年以来、ロンドンの性同一性障害の専門家は、1,000人以上の18歳未満の子供たちを診察してきた。

内部調査の結果、これらの患者のうち372人(約35%)が「中度または重度の自閉症特性」を示していることが判明した。

しかしこの事実は、発達障害や精神衛生上の問題を抱える若者が「性同一性障害」のための医療行為を施されているのではという懸念が高まっていたにも関わらず、6月の発表以来、クリニックで特に取り上げられてはこなかった。

タヴィストック・クリニックからは誰もこの件について声明を出しておらず、この問題を検討すべきものとして強調するようなこともしていない。

他の臨床分野であれば、警鐘を鳴らしているはずである。なぜこれほど多くの自閉症スペクトラムの若者が性別違和を発症しているのか、早急に調べる必要があるだろう。

センターの主要な臨床医によって行われたこの診療結果のデータは、タヴィストック・クリニックのウェブサイトの6月28日の記事で言及されている。

しかし、この記事は、「従来の性別に疑問を持ち」、「自分の性別の多様性を認め、受け入れてもらう」若者が増えているという知見に焦点を当てたものであった。

患者の多くが自閉症であることは、記事の下にある外部サイトへのリンクをクリックしないと分からない。

そのリンクは医学雑誌の小児疾患研究会につながっており、そこにある6ページのレビューで、ようやく次の二つの文章を読むことが出来る。「自閉症スペクトラムや自傷行為の特徴を含む行動的、感情的な機能を評価するために、様々な心理測定が行われる。紹介された若者の約35%は、中程度から重度の自閉症的特徴を呈している。

この統計については、レビューではこれ以上言及されていない。

当時、メール・オン・サンデー紙から連絡を受けた共著者のタヴィストック・クリニックのコンサルタント臨床心理学者バーナデット・レン氏は、この35%という数字は、2011年から2017年の間にタヴィストックの性同一性障害サービスに紹介された1069人の子供たちへの調査に基づいており、そのうち372人は自閉症の特徴があると査定されたと述べている。

同サービスの患者の約10人に4人は、性転換治療の第一段階である「思春期ブロッカー」薬の投与に進む。

もし、自閉症と思われる患者の割合が同じであれば、約150人がこの治療を受けたことになる。

自閉症の専門家であるサリー・ポウィス博士によれば、10代の自閉症患者は、自分が社会に溶け込めない理由を探しているうちに、間違った身体に生まれてしまったという考えに固執してしまうことがあるとのことである――実際には性別とは関係ないのかもしれないのに。

彼女は、「小さい頃から自分が変わっていると本人が理解している場合、自閉症というより、自分の性別が問題だと考えてしまう可能性があります」と述べる。

胸を縛る10代の自閉症スペクトラムの女の子は、単に「自分の体に起こるいろんなことが不安で、それをどう処理していいかわからない」という気持ちを表現しようとしているのかもしれない、と彼女は言う。

また、自閉症の若者たちが、性別が変わっても問題が解決しないことに気づいたら、移行したことを深く後悔するかもしれないと注意を促している。

しかし、本当に性別違和を持つ自閉症の若者のケースも間違いなくあるという。また、このような状態にある人は、自分のセクシュアリティや性自認について他の人よりも「ちょっとだけ正直」なので、トランスジェンダーであることをカミングアウトする可能性が高いかもしれない、と彼女は言った。

タヴィストック・センターの広報担当者は、性同一性障害の患者の多くが自閉症スペクトラムであるという発見は新しいものではないと述べた。

彼女は、「我々のサービスに参加するすべての若者は、一定期間にわたって包括的な評価を受ける。自閉症スペクトラム障害と診断されること自体が、性同一性障害の治療から個人を排除する理由にはならない、というのが一般的なコンセンサスです。」