トランスジェンダー男性が出産、「母親という言葉で女性を定義するのをやめるべき」

A transgender father who gave birth to his son revealed nurses would misgender him | Daily Mail Online

妊娠=女性らしさ?トランスジェンダー男性が出産して感じたこと (cosmopolitan.com)

出生時は女性、そしてレズビアンとして人生の大半を歩んできた、ロサンゼルス在住のベネット・カスパーウィリアムズさん。しかしあるとき、自身がトランスジェンダーであると気が付いたという。

そして2017年夏、マッチングアプリでマリクさんと出会い、交際をスタート。2019年に2人は結婚し、そこからベネットさんは男性ホルモンの注射をやめ、妊活を始めたと。その後自然妊娠が発覚し、2020年10月に帝王切開で息子のハドソンくんを迎え入れた二人。新しい家族のカタチを築いたベネットさんが、出産して感じたこととは――。

ホルモン治療を始めてから2年後の2015年夏、5,000ドル(約57万円)をかけて、乳房を切除する手術に臨んだベネットさん。この手術を受けたときのことを語ってくれた。

妊活を始めた当時、ベネットさんは世間が考える「母性」というものに疑問を抱いていたそう。

「『すべての女性=母親になれる』『すべての母親=子どもを身ごもる』『子どもを身ごもった人=母親である』というのは間違っています。だからこそ、『母性』という言葉で『女性』を定義するのをやめることが重要なんです

そして妊娠してからも、通院や入院の際に違和感を覚える出来事が。

「髭を生やし、胸は平らで身分証明書に『男性』の性別表示があっても、病院ではみんなが私を『お母さん』『母親』『奥さん』と呼んだのです。通院するたびに、違和感は高まっていきました」

コロナ禍の妊娠・出産ということで、一人で通院や手続きを行わなければならず、孤独だったというベネットさん。しかし、ハドソンくんの成長を見ることが、今の一番の楽しみなのだとか。

「ハドソンが新しい発見をして、『ダダ(お父さん)!』と叫びながら私のところに走ってくる瞬間は最高の喜びです。子どもは大人のように偏見や先入観で世界を見ていない、素晴らしい存在なのです」
「息子にとって、パパとダダがいることほど自然で当たり前なことはありません。息子が大きくなったら、『ダダが自分を産んでくれた』と知るでしょう。 息子は間違いなく、私から生まれたことを受け入れてくれるはずです」
新たな家族のカタチを築きながら、SNSを通して日常を発信しているベネットさんとマリクさん。 二人のInstagramには、温かいメッセージがたくさん寄せられている。